災害時SNS「これで安心」安全に情報を発信するための基本ガイド
災害時にSNSで情報を「発信する」ということ
災害が発生した時、SNSは情報を「集める」だけでなく、「発信する」ためにも非常に有効な手段となります。しかし、SNSを普段あまり使わない方にとっては、「何をどのように発信すれば良いのか」「間違った情報を広めてしまわないか」「自分のプライベートな情報が漏れてしまわないか」といった不安があるかもしれません。
このページでは、災害時という特別な状況において、SNSで安全かつ効果的に自分の情報を発信する基本的な方法と、特に注意していただきたい点について、分かりやすくご説明します。
なぜ災害時に情報を発信することが大切なのでしょうか。それは、主に以下の三つの目的があるからです。
- 安否を知らせるため ご家族やご友人、離れて暮らす大切な人たちが、あなたの無事を知ることができ、安心につながります。電話回線が混み合いやすい災害時でも、SNSは比較的繋がりやすい場合があります。
- 支援を求めるため あなたが現在困っていること(食料や水がない、体調が悪い、避難場所が必要など)を具体的に発信することで、周囲の人や公的機関、支援団体が状況を把握し、適切な支援に繋がる可能性があります。
- 周囲と状況を共有するため あなたのいる場所の状況や、そこで得られた正確な情報を発信することで、同じ地域の人や関係者が現状を理解し、互いに助け合うきっかけになることがあります。
このように、災害時における情報発信は、あなた自身や周りの人の安全と安心を守るために、非常に役立つ可能性があるのです。
災害時、安全に情報を発信するための基本的な手順
SNSでの情報発信にはいくつかの方法がありますが、ここでは多くの方が利用しているSNSアプリ(例えば、X(旧Twitter)やFacebookなど)を想定した一般的な手順をご説明します。
1. アプリを開く
まず、スマートフォンのホーム画面などから、利用したいSNSアプリのアイコンを探してタップします。
(ここに「SNSアプリのアイコン画像をタップする様子」の画像が入るとより分かりやすいでしょう。)
2. 新しい投稿を作成する画面を開く
アプリによって表示は異なりますが、「投稿する」「ポストする」「今どうしてる?」といった、新しいメッセージを入力するためのボタンや入力欄を探します。多くの場合、画面の下部や上部、あるいは目立つ場所(例えば右下)に鉛筆マークやプラスマークのアイコンがあることが多いです。そのアイコンや入力欄をタップします。
(ここに「投稿作成ボタンや入力欄の画像とタップする箇所を示す矢印など」が入るとより分かりやすいでしょう。)
3. 伝えたい情報を入力する
開いた入力画面に、伝えたい情報を文字で入力します。
- 無事を知らせる場合: 「〇〇(自分の名前や家族の名前など)です。△△(場所)にいますが無事です。」「家族全員無事です。」など、シンプルに無事であることを伝えます。
- 支援を求める場合:
- 「〇〇(場所、例:△△市□□町のアパート)にいます。」
- 「□□が不足しています(例:水、食料、電池、薬など)。」
- 「体の具合が悪いです。」
- 「避難したいのですが、移動手段がありません。」
- このように、どこで、何が、どれくらい必要なのかを具体的に書くと、助けを求める情報としてより伝わりやすくなります。
- 状況を共有する場合:
- 「〇〇(場所)では、△△(状況、例:道路が冠水しています、電気が復旧しました)といった状況です。」
- 公的な発表や信頼できる情報源から得た情報を共有する場合は、「〇〇市役所の発表によると〜」のように、情報の出所を明確にすることが非常に重要です。
入力する際は、焦らず、正確に、簡潔に伝えることを心がけましょう。
(ここに「テキスト入力画面の画像と入力例」が入るとより分かりやすいでしょう。)
4. 必要に応じて写真や動画を添付する(注意が必要)
現場の状況を伝えるために写真や動画を添付することも可能ですが、いくつか注意が必要です。
- 個人の特定に繋がるものは写さない: 自宅の表札、個人名が書かれたもの、家族の顔、自宅の内装などが写り込まないように注意してください。
- 場所の特定に繋がるものは写さない: 自宅の外観、住所が特定できる建物、表札、車のナンバーなどが写り込まないように注意してください。撮影場所が特定されることによって、空き巣などの犯罪に繋がるリスクもゼロではありません。
- 他人のプライバシーに配慮する: 救助活動中の様子や被災した方など、プライバシーに関わる可能性のあるものは、必ず本人の許可なく撮影・投稿してはいけません。
- 安易な気持ちで撮影・投稿しない: 被災状況の撮影は、他人の不幸を面白がるような行為と受け取られかねません。本当に情報として必要か、よく考えてから行いましょう。
写真を添付するには、入力画面にあるカメラマークや写真のアイコンをタップし、スマートフォンの写真フォルダから画像を選択します。
(ここに「写真添付ボタンのアイコン画像と選択画面の例」が入るとより分かりやすいでしょう。)
5. 位置情報の設定を確認する
SNSアプリには、投稿に「位置情報」を付ける機能がありますが、災害時は原則として位置情報は付けないことを強くお勧めします。現在地を正確に知られることが、安全面でのリスクを高める可能性があるためです。投稿画面で位置情報がオンになっていないか確認し、もしオンになっていたら必ずオフにしてください。
(ここに「位置情報設定のON/OFF切り替え画面の例」が入るとより分かりやすいでしょう。)
6. 投稿する
入力内容と添付ファイル(もしあれば)、位置情報の設定を確認したら、「投稿する」「ポストする」といったボタンをタップして発信します。
(ここに「投稿ボタンの画像とタップする箇所を示す矢印」が入るとより分かりやすいでしょう。)
災害時の情報発信で特に注意すべき点
情報を発信することは有用ですが、同時にいくつかの重要な注意点があります。特にSNS初心者の方は、以下の点に十分注意してください。
1. 個人の特定に繋がる情報は絶対に書かない、写さない
これは最も重要です。あなたの安全を守るためにも、以下の情報は絶対に公開しないでください。
- 正確な住所や自宅の外観、表札
- あなたのフルネーム(公開設定を確認し、匿名やニックネームでの利用を検討する)
- 家族構成や在宅状況が分かる情報
- スマートフォンの位置情報サービスを使った現在地の表示
投稿する前にもう一度、これらの情報が含まれていないか必ず確認しましょう。
2. 不確かな情報、特にデマを拡散しない
自分が見たり聞いたりした情報でも、それが本当に正しい情報かどうか、冷静に確認することが重要です。特に「〇〇が崩落したらしい」「△△に集まれば救援物資がもらえるらしい」といった未確認の情報や、不安を煽るような情報を、確認せずに自分の投稿として発信したり、他の人の投稿を安易に「リツイート」や「シェア」したりすることは、デマの拡散に繋がります。
- 情報の真偽が不明な場合は、絶対に発信しないでください。
- 他の人の投稿を共有する際は、その情報源が信頼できるか(公的機関、主要な報道機関など)を必ず確認してください。
デマに騙されないための詳しい方法は、他の記事でも解説していますので、そちらも参考にしてください。
3. 感情的な投稿や個人への攻撃を避ける
災害時は誰でも精神的に不安定になりがちですが、SNS上で感情的な言葉を使ったり、特定の個人や組織を非難したりするような投稿は避けるべきです。状況を正確に伝え、必要な支援に繋げるという目的から逸れてしまい、混乱を招く可能性があります。冷静な情報発信を心がけましょう。
4. 携帯電話のバッテリー消費に注意する
スマートフォンの利用はバッテリーを消費します。本当に必要な情報の収集や発信に絞り、不要なSNSの利用は控えましょう。画面の明るさを下げる、不要なアプリを閉じるなど、バッテリーを長持ちさせる工夫も重要です。
まとめ
災害時におけるSNSでの情報発信は、安否確認や支援要請など、非常に重要な役割を果たす可能性があります。しかし、そのためには安全に、そして正確に情報を伝えることが大前提となります。
この記事でご紹介した基本的な手順と注意点(特に個人情報の保護とデマの拡散防止)を理解し、落ち着いて対応することで、SNSを災害時にもあなたの力強い味方として活用することができるでしょう。
繰り返しになりますが、ご自身の安全を最優先に考え、無理のない範囲で活用してください。