もしもの時、SNSで実家の両親と連絡をとるには?離れて暮らす家族のための活用ガイド
災害時、離れて暮らす家族との連絡にSNSが役立つ理由
災害が発生した時、離れて暮らすご家族、特にご実家のご両親などご高齢の方は、とても心配になりますよね。すぐに電話をかけて安否を確認したいと思っても、災害時は電話回線が混み合い、なかなか繋がらないことが多くあります。
そんな時に、電話やメールに代わる連絡手段として、SNSが非常に役立つことがあります。SNSはインターネット回線を使うため、電話回線が混雑していても比較的繋がりやすい場合があるのです。
もちろん、SNSは複雑で使い方が難しいと感じている方もいらっしゃるかもしれません。デマなどの間違った情報が多いのではないかと心配される方もいるでしょう。しかし、使い方をしっかり理解すれば、SNSは離れたご家族と安全に連絡を取り合うための、とても心強い味方になります。
この記事では、災害時にSNSを使って離れて暮らす家族と連絡を取るための、初心者の方にも分かりやすい方法をご紹介します。
事前の準備が大切です
災害が起こってから慌てないためにも、事前にご家族と話し合い、準備をしておくことが大切です。
1. どのSNSを使うか決めておく
普段からご家族が使っている、またはこれから使いやすいSNSを選びましょう。例えば、LINEはメッセージのやり取りが中心で、比較的操作がシンプルです。X(旧Twitter)は、幅広い情報を集めるのにも適しています。ご家族で相談し、共通して使えるSNSを一つか二つ決めておきましょう。
2. アカウントの準備と繋がっておく
使うSNSが決まったら、まだアカウントを持っていない方は作成しましょう。作成方法が分からない場合は、詳しいご家族や知人に手伝ってもらうのも良いでしょう。
そして、決めたSNSでお互いを「友達登録」したり、「フォロー」したりして、すぐにメッセージや情報を見られる状態にしておきましょう。
- LINEの場合: 家族の連絡先を知っていれば、電話番号やQRコードなどで友達に追加できます。ご家族だけの「グループ」を作っておくと、まとめて連絡できて便利です。
- X(旧Twitter)の場合: 家族のアカウント名を調べて「フォロー」します。ダイレクトメッセージ(DM)機能を使えば、他の人に見られることなく個別にメッセージを送ることができます。
3. 災害時の連絡方法について話し合っておく
「災害が起きたら、まず○○(決めたSNS)で『無事です』とメッセージを送る」といった、簡単なルールを決めておきましょう。連絡が取れない場合の代替手段(例えば、NTTの災害用伝言ダイヤルや、携帯キャリアが提供する災害伝言板など)についても確認しておくとさらに安心です。
災害発生時:親側から家族に連絡を送る方法
もし被災されたご実家のご両親などが、離れて暮らす家族に連絡を送りたい場合、以下の手順を参考にしてください。
1. スマートフォンの画面を開く
まず、スマートフォンの画面が見える状態にします。ロックがかかっている場合は、解除してください。
2. 使うSNSアプリを探して開く
事前に家族と決めておいたSNSのアプリを探します。スマートフォンの画面に表示されている、そのSNSのアイコン(絵柄)を見つけてください。例えば、LINEなら緑色の吹き出しのアイコン、Xなら青い鳥のアイコンです。
そのアイコンを指で軽く「トン」と一度たたく(タップする)と、アプリが開きます。
3. 家族との連絡画面を開く
アプリが開いたら、ご家族との連絡画面を探します。
- LINEの場合: 画面の下にある「トーク」というボタン(吹き出しのアイコンが多いです)をタップします。連絡を取りたいご家族の名前、またはご家族で作った「グループ」の名前を探してタップしてください。
- X(旧Twitter)の場合: 画面の下にある「メッセージ」というボタン(封筒のようなアイコンが多いです)をタップします。「ダイレクトメッセージ」という画面になりますので、連絡を取りたいご家族の名前を探してタップしてください。
4. メッセージを入力して送る
連絡画面が開いたら、画面の下の方にあるメッセージを入力する場所をタップします。キーボードが表示されますので、今の状況を簡単に入力します。
- 例:「無事です」
- 例:「○○(場所の名前)に避難しています」
- 例:「水と食べ物が足りません」
入力し終わったら、入力欄の近くにある「送信ボタン」(紙飛行機のアイコンが多いです)をタップすると、メッセージが送られます。
文字入力が難しい場合は、SNSによっては音声入力を利用したり、LINEであればスタンプを送ることで、簡単に「無事です」といった気持ちを伝えることもできます。
5. 写真や位置情報を送る(可能な場合)
もしスマートフォンの操作に慣れているようであれば、写真や、スマートフォンの位置情報を送ることで、より詳しく状況を伝えることができます。ただし、バッテリーを多く使う機能ですので、状況を見て判断してください。
災害発生時:離れて暮らす家族側が親の安否を確認する方法
離れて暮らすご家族が、被災地にいる親御さんの安否を確認したい場合、以下の手順を参考にしてください。
1. スマートフォンの画面を開き、SNSアプリを開く
親御さんから連絡が来ていないか確認するために、事前に決めておいたSNSアプリを開きます。
2. 親御さんからのメッセージや投稿を確認する
アプリを開いたら、親御さんとの連絡画面(LINEのトーク、Xのダイレクトメッセージなど)を確認します。新しいメッセージや投稿が届いていないか見てみましょう。
また、親御さんがもしX(旧Twitter)など公開されるSNSを使っている場合は、親御さんのプロフィール画面を開いて、新しい投稿がないか確認することもできます。
3. 連絡が取れない場合の行動
もしSNSでも親御さんと連絡が取れない場合でも、焦らないでください。
- 他の連絡手段を確認: 事前に決めておいた災害用伝言ダイヤルや災害伝言板にメッセージが残されていないか確認します。
- 公的機関などの情報を確認: 親御さんのいらっしゃる地域の自治体や警察、消防などの公式SNSアカウントやウェブサイトで、地域全体の被害状況や避難所の情報などを確認します。
SNSで「○○(親御さんの地域)の被害状況はどうですか」などと情報収集することもできますが、災害時はデマが多く流れる可能性が高いです。見かけた情報が正しいか、必ず公的な情報源で確認するようにしてください。
災害時のSNS利用で特に注意したいこと
離れて暮らす家族との連絡以外でも共通することですが、災害時にSNSを使う際には特に以下の点に注意が必要です。
- デマ情報に注意する: 家族からの情報であっても、それが「伝聞」である場合は、さらに他の信頼できる情報源(テレビ、ラジオ、自治体の公式発表など)で裏付けを取ることが重要です。「~らしい」「友達が言っていた」といった情報は、誤っている可能性があります。公的な機関や主要メディアの公式アカウントなど、「公式マーク」などがついている信頼できる情報源からの情報を優先するようにしましょう。
- バッテリーの消費を抑える: 災害時は停電することがあります。スマートフォンのバッテリーをできるだけ長持ちさせるために、SNSを見る時間を短くしたり、画面の明るさを暗くしたり、位置情報サービスをオフにするなどの工夫をしましょう。
- プライバシーに配慮する: 家族や自分の詳細な居場所や、自宅の被害状況を具体的にSNSに投稿する際は注意が必要です。誰が見ているか分からないため、防犯の観点からも、個人が特定されやすい情報の公開は最小限にとどめるようにしましょう。
- 無理をしない: 通信状況が悪い中で無理にSNSを使おうとすると、バッテリーを無駄に消費するだけでなく、ストレスになることもあります。繋がらない場合は、少し時間を置いてから試したり、他の手段を検討したりするなど、無理のない範囲で利用しましょう。
まとめ
災害時、離れて暮らす大切なご家族との連絡は、安否確認だけでなく、精神的な安心のためにも非常に重要です。電話が繋がりにくい状況でも、SNSが役立つ可能性があります。
「SNSは難しそう」と感じていた方も、この記事でご紹介したような基本的な使い方を事前に知っておくことで、いざという時に落ち着いて行動できるようになります。
この機会に、ぜひご家族と災害時の連絡方法について話し合い、SNSの準備を進めてみてください。皆様の安心に繋がることを願っております。