災害時、困ったときにSNSで助けを求める方法
なぜ災害時にSNSで助けを求めたり、支援を探したりするのか
地震や台風などの大きな災害が発生すると、電話がつながりにくくなったり、道路が寸断されて移動が難しくなったりすることがあります。このような非常時には、公的な支援がすぐに届かない場合も考えられます。
SNS(ソーシャルネットワーキングサービス)は、インターネットがつながる環境にあれば、比較的容易に情報をやり取りできる手段の一つです。多くの人が同時に利用しているため、自分の困っている状況を発信したり、必要な支援物資や避難場所の情報を素早く見つけたりするのに役立つ可能性があります。
もちろん、SNSだけがすべてではありません。電話やラジオ、自治体の広報など、様々な方法と組み合わせて活用することが大切です。しかし、SNSの使い方を知っておくことで、いざという時に頼れる手段が増えるかもしれません。
この章では、SNSを使ってご自身や周囲の方が困っている状況を伝えたり、必要な支援や情報を安全に探し出すための基本的な方法についてご説明します。
支援を求める情報を安全に伝えるには
もし、ご自身や周囲の方が災害で困っている状況(例:怪我をしている、水や食料がない、安全な場所に移動できないなど)にある場合、SNSで助けを求めることも一つの方法です。ただし、情報を発信する際には、いくつかの注意点があります。
1. どんな情報を伝えるか
助けを求める際には、状況を正確に伝えることが重要です。次のような情報を整理して、落ち着いて伝えましょう。
- あなたの現在地: 具体的な住所ではなくても、おおよその場所(例:「〇〇市 △△小学校の近く」「□□町の〇〇公園」など)を伝えると、支援者が場所を特定しやすくなります。危険な場合は、無理に正確な場所を特定しようとせず、わかる範囲で構いません。
- 現在の状況: 何に困っているのか(例:「足を怪我して動けません」「水や食料がありません」「建物が壊れて外に出られません」など)を簡潔に伝えましょう。
- 必要な支援: 具体的に何が必要か(例:「医療チームが必要です」「食料と飲料水が必要です」「避難するための支援が必要です」など)を伝えます。
- あなたの名前(任意)や連絡先: 可能であれば、連絡が取れる方法(電話番号など)を記載すると、支援者からの連絡を受けやすくなります。ただし、個人情報の公開には注意が必要です。
2. 情報発信の際の注意点
- 個人情報の公開範囲: 住所や氏名など、個人が特定される情報は最小限に留めることをお勧めします。特に、不特定多数が見る可能性のある公開設定での投稿では注意が必要です。
- 写真や動画の活用: 状況を伝えるために、写真や動画を投稿することも有効です。ただし、ご自身や他の方の顔が映り込まないようにするなど、プライバシーに配慮しましょう。また、周囲の状況がわかるような写真や動画は、支援者が状況を把握しやすくなります。
- 冷静に、正確に: 不安な状況かと思いますが、できるだけ落ち着いて、事実に基づいた情報を発信するように心がけてください。
必要な支援や情報を安全に探すには
災害時には、自治体やNPO、個人など、さまざまな人や団体が支援情報や役立つ情報をSNSで発信することがあります。これらの情報を安全に探す方法を知っておきましょう。
1. 情報の探し方
- キーワード検索: SNSアプリには「検索」機能があります。スマートフォンの画面にある虫眼鏡のアイコンなどをタップして、検索窓にキーワードを入力します。
- 具体的なキーワードの例:
- お住まいの自治体名(例:「〇〇市 災害」「□□町 支援情報」)
- 現在の状況を示す言葉(例:「避難所」「給水」「食料」)
- 特定のSNSで使われる目印(ハッシュタグといいます。例:「#災害名」「#地域名」「#助けて」「#支援」など)
- 複数のキーワードを組み合わせて検索すると、より目的に合った情報が見つかりやすくなります(例:「〇〇市 給水」「□□町 避難所」など)。
- 具体的なキーワードの例:
- 信頼できるアカウントを見る: あらかじめ、お住まいの自治体や国の機関(内閣府、気象庁など)、警察、消防、主要なニュースメディア、大きな支援団体などのSNSアカウントを確認しておくと良いでしょう。これらのアカウントは、多くの場合、信頼できる正確な情報を発信しています。災害時には、これらのアカウントからの情報発信に注意しましょう。
2. 情報の信頼性を確かめる
SNSには、残念ながら不確かな情報やデマも流れることがあります。受け取った情報が本当に正しいか、以下の点を確認しましょう。
- 情報の発信元: 誰がその情報を発信しているのかを確認します。信頼できる公的機関や主要なメディアからの情報であれば、比較的信頼性が高いと言えます。個人からの情報や、普段あまり見かけないアカウントからの情報は、慎重に扱いましょう。
- 他の情報源と照らし合わせる: 一つの情報源だけでなく、複数の情報源(テレビ、ラジオ、自治体の公式サイトなど)で同じ情報が発信されているか確認します。複数の場所で同じ情報が確認できれば、信頼性は高まります。
- 古すぎる情報に注意: 災害の状況は刻々と変化します。日付や時刻を確認し、古い情報ではないか注意しましょう。
- 不自然な点はないか: 「この情報、本当かな?」と少しでも疑問に感じたら、すぐに信じたり広めたりせず、確認することを心がけてください。
その他の注意点
- バッテリーの消費: スマートフォンのバッテリーは限られています。不要なときは画面を消す、アプリを終了するなど、節約を心がけましょう。モバイルバッテリーがあると安心です。
- 心の負担: 災害の情報や写真、動画は、時に大きな心の負担となることがあります。無理に情報を見続けず、休憩も大切です。
- 正確な情報発信を心がける: ご自身が情報を発信する側になる場合は、あいまいな情報や、確認できていない情報を広めないように注意しましょう。
まとめ
災害時において、SNSは助けを求めたり、必要な支援や情報を見つけたりするための有効な手段となり得ます。ただし、利用には注意が必要です。この章でご説明した「情報の伝え方」「情報の探し方」「情報の信頼性を確かめる方法」を参考に、落ち着いて、安全にSNSを活用してください。
日頃からスマートフォンの基本的な操作に慣れておき、どのような情報源があるかを確認しておくことも、いざという時の助けとなるでしょう。