災害現場の写真や動画、SNSでどう役立てる?投稿の前に知っておくべきこと
災害時の写真や動画、SNSでどう役立てる?投稿の前に知っておくべきこと
大きな地震や豪雨など、もしもの災害が起きた時、スマートフォンは大切な連絡手段になります。これまでの記事では、SNSを使って必要な情報を集めたり、家族や友人との安否確認をしたりする方法についてお話ししてきました。
スマートフォンで写真を撮ることに慣れている方も多いと思いますが、災害が起きた時、その場で見た状況を写真や動画に撮ることもあるかもしれません。その写真や動画をSNSに投稿することが、実は他の誰かの役に立ったり、支援につながったりすることがあります。
では、どのように役立てることができるのでしょうか?そして、投稿する際にはどんなことに気を付ければ良いのでしょうか?この記事では、災害時に写真や動画をSNSで安全かつ効果的に活用するためのポイントを分かりやすく解説します。
なぜ災害時に写真や動画のSNS投稿が役立つのですか?
災害が起きている場所の様子は、テレビやラジオだけでは十分に伝わらないことがあります。皆さんがその場で撮影した写真や動画は、まさに「現地の生の情報」です。
- 正確な状況を伝える: 写真を見れば、どれくらい水が浸かっているのか、建物はどのくらい壊れているのかなど、具体的な状況が一目で分かります。文字だけでは伝わりにくい状況を正確に伝えることができます。
- 必要な支援を具体的に伝えるきっかけになる: 例えば、「この地域では〇〇が不足している」という情報に、実際の状況を捉えた写真が添えられていると、それを見た人が具体的な支援を届けやすくなります。
- 危険な場所を他の人に知らせる: 通行止めになっている道路や、電線が垂れ下がっている場所などを撮影し、その場所と一緒に投稿することで、他の人がそこへ近づかないよう注意を促すことができます。
このように、皆さんが目にした状況を写真や動画で共有することは、被災地の状況を把握し、必要な支援につなげるために役立つ可能性があるのです。
写真や動画をSNSに投稿する具体的な流れ
もし、安全な場所から状況を伝えるために写真や動画をSNSに投稿したいと考えた場合、どのような手順で行えば良いのでしょうか。お使いのSNSアプリによって多少の違いはありますが、一般的な流れを説明します。
これは、普段LINEで写真や動画を送る操作と似ていますので、参考にしてみてください。
- 状況を写真や動画で撮影する:
まず、伝えたい状況をスマートフォンのカメラ機能を使って撮影します。
- 何が写っているか、なぜそれを伝えたいのかを意識して撮影しましょう。
- (注意点については後述します)
- 利用したいSNSアプリを開く: スマートフォンの画面にある、投稿したいSNSのアイコンを探してタップします。例えば、鳥のマーク(X/旧Twitter)や、カラフルなカメラのマーク(Instagram)、青い「f」のマーク(Facebook)などです。
- 新しく投稿するためのボタンを探す: アプリを開くと、画面の中に「投稿する」「今どうしてる?」「+」などのボタンやアイコンがあるはずです。それをタップすると、新しい投稿を作成する画面になります。
- 撮影した写真や動画を選ぶ: 投稿作成画面には、スマートフォンの写真フォルダを見るためのアイコン(カメラロールのマークなど)があります。それをタップし、先ほど撮影した写真や動画を選びます。複数枚選べる場合もあります。
- 伝えたい情報を文字で入力する:
写真や動画だけでは、いつ、どこで撮影されたものか、何を伝えたいのかが分かりません。写真や動画の下や横にあるテキスト入力欄に、以下の情報を分かりやすく入力しましょう。
- いつ撮影したか: 例「〇月〇日 午後2時頃」
- どこで撮影したか: 例「〇〇市△△区の〇〇交差点付近」「〇〇駅前」
- 何が写っているか: 例「道路が冠水しています」「〇〇が倒壊しています」
- 何を伝えたいか: 例「この道は通れません」「〇〇が必要です」
- (個人情報や不確かな情報は書かないように注意してください)
- 位置情報などを設定する(必要な場合): 多くのSNSには、投稿に位置情報(GPS情報)を付ける機能があります。正確な場所を伝えたい場合に役立ちますが、プライバシーに関わることもあるため、設定をする際は注意が必要です。初期設定では位置情報が付かないようになっているSNSもあります。
- 公開範囲を設定する: 誰に投稿を見せるかを設定できます。「誰でも見られる」「友人のみ」「家族のみ」など、公開範囲を選べます。災害に関する情報を広く伝えたい場合は「誰でも見られる」を選ぶことが多いですが、個人の状況に関わる場合は限定することも検討してください。
- 「投稿する」ボタンをタップする: 入力と設定が終わったら、画面にある「投稿」「ツイート」「シェア」などのボタンをタップすれば投稿は完了です。
操作に不安がある場合は、まずは災害時ではない普段の時に、風景など個人的な写真を使って練習してみるのも良いかもしれません。
投稿する前に!これだけは知っておきたい大切な注意点
災害時に写真や動画をSNSに投稿することは役立つ可能性がある一方で、非常に大切な注意点があります。これを守らないと、自分自身や他の人に迷惑をかけたり、誤った情報を広げてしまったりする可能性があります。
特に以下の点には細心の注意を払ってください。
- 自分自身の安全を最優先に: 最も大切なのは、皆さんの安全です。危険な場所に無理に入って撮影したり、投稿するために立ち止まったりすることは絶対にやめてください。安全な場所に避難してから、落ち着いて投稿をしましょう。
- 写っている人のプライバシーに配慮する: 被災して困っている方の顔や、自宅が写り込んでいる写真・動画をそのまま投稿することは、その方のプライバシーを侵害する可能性があります。個人の特定につながるような情報や、写っている方が同意していない内容の投稿は絶対に避けてください。
- 不確かな情報や憶測を含めない: 「~らしい」「~という情報がある」といった不確かな情報は投稿しないでください。見たままの状況を冷静に伝えるように努めましょう。間違った情報が広まると、混乱を招いたり、救助や支援の妨げになったりすることがあります。
- 撮影した日時や場所を明確に: 写真や動画がいつ、どこで撮影されたものか分からないと、情報としての価値が低くなってしまいます。投稿する際に、必ず日時や場所を添えるようにしてください。
- 必要以上にショッキングな映像は控える: 悲惨な状況を伝えることも重要ですが、過度に刺激の強い映像は、見る人に大きな精神的負担を与える可能性があります。特にインターネット上では、意図しない人が目にすることもあります。情報として必要な範囲にとどめ、配慮を忘れないようにしましょう。
これらの注意点を守ることで、皆さんの投稿が本当に役立つ情報として活用されることにつながります。
まとめ:正しく使えば、あなたの情報も誰かの助けに
災害時において、スマートフォンで撮影した写真や動画をSNSで共有することは、被災地の状況を正確に伝えたり、必要な支援につなげたりするための有効な手段となり得ます。
しかし、そのためには「安全な場所から投稿すること」「写っている人のプライバシーを守ること」「不確かな情報を流さないこと」など、いくつかの大切なルールを守ることが非常に重要です。
これらの注意点を理解し、正しく利用すれば、皆さんが発信する情報も、きっと誰かの助けになるはずです。焦らず、落ち着いて、安全を第一に考えて行動してください。
この記事が、もしもの時に写真や動画を安全にSNSで活用するための一助となれば幸いです。